ハラスメントやサービス残業、有給休暇がないなど、「ブラック企業」は少なくありません。職場で、「おかしい」「ひどい」「なんとかならないか」と感じたことはありませんか?労働組合武庫川ユニオンは、職場でさまざまな問題に直面した組合員と共に、次のような方法で問題解決にあたります。
① 団体交渉… 会社との話し合いです。労働組合が団体交渉を要求したら、法律により、会社は必ず応じなければなりません。
② ストライキ…会社に要求を認めさせるために労働を行わないで抗議することで、憲法で保証される労働者の権利です。
③ 労働委員会…労働委員会は、都道府県の行政機関のひとつです。斡旋を申し立てて、解決への援助を依頼します。
④ 裁判… 会社を相手に訴訟を起こします。個人で訴訟を起こすのは大きな重荷ですが、労働組合が原告となって一緒に闘います。
⑤ 広報活動… ビラ配りや街頭演説なども組合活動として法律で認められています。
さまざまな職場の問題をどう解決してきたか、その一部を以下にご紹介します。職場の問題は、一人で悩まずに、私たちに相談してください。一緒に解決しましょう!
・まるでだまし討ちのような雇止め解雇を撤回
AさんとBさんは、雇用期間に定めのない正社員の募集に応募し、採用されました。ところが採用時に1年契約の契約書に署名させられてしまいました。会社が、形式上のもので正社員であることには変わりない、と説明したのを信じたからです。翌年、1年契約の更改があり、その数か月後、次年度の契約更新はしない、と事実上の解雇を言い渡されてしまいました。ふたりは、ユニオンに加入し、団体交渉を経て、会社はふたりが正社員であることを認め、解雇を撤回しました。
・セクハラに抗議して解雇になったが撤回
有期雇用で働いていたCさん。上司の度重なる性的言動に耐えかねて、他の女性従業員とともに会社に抗議したとたん、雇止め解雇になってしまいました。Cさんたちはユニオンに加入。解雇を撤回させるとともに、問題の上司を配転させることができました。
・退職強要を拒否し続けた社員を解雇した会社に損害賠償払わせる
会社の管理職として働いてきたDさんを、会社は突然降格した上、度重なる配転で、退職に追い込もうとしました。それでも頑張って働き続けていたら、解雇されてしまいました。その後、Dさんはユニオンに加入し、会社を裁判に訴えて、主張を通し、会社に損害額を支払わせることができました。
・理不尽な解雇をした会社を訴えて勝った
EさんとFさんの会社は、些細なことをあげつらってふたりを解雇にしてしまいました。ふたりはユニオンと共に会社に訴えを起こし、その結果、会社は10年分の賃金に相当する額をふたりに支払うことになりました。
・ネクタイしなかったら解雇?裁判に訴えて勝ちました
Gさんの勤務していた専門学校で、校長が教員にネクタイを着用するよう指示しました。Gさんは、ネクタイ着用を職員会議で議論することを提案しましたが、議論するどころか解雇になってしまいました。Gさんはユニオンに加入して、裁判に訴えました。その結果、Gさんは定年までの賃金相当額を学校に払わせることができました。
・会社に不正の是正を求めて解雇になったが裁判で勝った
経理を担当していたHさんは、会社の不正な経理処理に気づき、是正を求めたら解雇されてしまいました。Hさんはユニオンに加入し、会社を裁判に訴え、主張を通すことができました。
・整理解雇(会社倒産による解雇)の退職金の増額を要求
会社が倒産することがわかったIさんは、同僚たちと共にユニオンに加入し、一致団結して会社との交渉にあたりました。会社の倒産はまぬがれなかったものの、会社が当初提示した金額よりも多い金額を支払わせることができました。
・支給してなかった残業代を過去に遡って払わせる
Jさんの職場では、超過勤務が普通だったのに、会社は従業員に「自主的に勤務時間後も残っていたので残業ではない」と届け出ることを強要していました。Jさんはユニオンに加入し、過去にさかのぼって残業手当を支払うことを要求して団体交渉を行うなどして、残業代を支払わせることに成功しました。
・有給休暇を取れるようになった
Lさんの職場では、「有給休暇はない」とされてきました。Lさんはユニオンに加入し、団体交渉の結果、会社は誤りを認めました。
・夏季休暇を獲得!
Mさんの職場では、夏季休暇が一切なく、子供たちに楽しい夏の思い出を作ってあげることが困難でした。そこで、ユニオンと共に団体交渉を行った結果、夏季休暇を獲得することができました。
・インフルエンザにかかったときの特別休暇を勝ちとる!
Nさんの職場は、常に人に接する仕事のため、インフルエンザなどの感染症にかかった場合、正社員には、年次有給休暇とは別に特別休暇が認められます。しかし、Nさんをはじめとする、有期雇用の社員には認められていませんでした。Nさんは他の有期雇用の社員と団結してユニオンと共に団体交渉にあたり、有期雇用の社員にも特別休暇が認められるようにさせました。
・繰り越しができなかった有給休暇の繰り越しをできるように
労働基準法では、その年に使わなかった有給休暇は翌年に繰り越すことができます。ところがOさんの職場では、有給休暇の繰り越しを認めていませんでした。Oさんはユニオンと共に団体交渉で、会社の誤りを正させました。
・拒否された育児休暇を認めさせた
Pさんは、産休を取得して出産し、そのあと育児休暇を取ろうとしたら、解雇を言い渡されてしまいました。Pさんはユニオンに加入し、団体交渉の結果、解雇は撤回され、育休も取得が認められました。
・育児休暇後の職場復帰を認めさせた
看護師のQさんは、育児休暇取得後、職場に復帰しようとしたところ解雇に。ユニオンに加入し、団体交渉で解雇を撤回、職場復帰をはたしました。
・給与やボーナスの増額
ユニオンでは、年度末の春闘を通じて、会社に給与・賞与の増額を求めます。中には、経営状況を正確に伝えずに、給与等を不当に低く抑えようとする会社もあります。Rさんの会社では、就業規則に定期昇給が定められているにもかかわらず、経営状況を理由に、昇給停止・賞与無しとされました。しかし、Rさんをはじめ社員がユニオンに加入して団体交渉を行い、経営状況について会社側の説明にごまかしがあることを指摘し、定期昇給の実施と賞与の支払いをさせることができました。
・減給の撤回
Sさんは、1回遅刻したために、給与を減らされてしまいました。しかも、遅刻する旨を会社に連絡していたにもかかわらず、です。ユニオンは、Sさんとともに会社を裁判に訴え、Sさんの主張が認められました。
・支給されなかったボーナスを過去に遡って支払わせた
Tさんの職場では、就業規則上、ボーナスが支払われることになっていました。しかし、Tさんが属する部署の従業員には、何ら説明もなく支給されませんでした。ユニオンは、過去にさかのぼって、他部署と同等のボーナスを支払うよう団体交渉を行い、ボーナスを支払わせることに成功しました。その後、経営者の好き嫌いでボーナスの支給がなかったり、ボーナスの額に関して不公平な査定をされることがなくなりました。
・労働組合加入通知を見ただけでパワハラ上司が職場に来なくなった・・・
Uさんの勤務する専門学校の理事長は、毎日職場に顔を出しては部下に暴言を吐いたり、理由もなく何度も仕事のやり直しをさせたり、やりたい放題でした。たまりかねたUさんが同僚とともにユニオンに加入して労働組合結成通知を理事長に提出したとたんに、全く職場に顔を見せなくなり、パワハラから解放されることができました。
・パワハラ上司の配転に成功・・・
パワハラが横行する職場で働いていたVさんは、仲間と一緒にユニオンに加入し、パワハラに抗議することを決断。団体交渉を繰り返して、パワハラを止めさせるとともに、最終的には問題の上司は退職しました。
・女性社員の仕事とされてたお茶くみをなくした
Wさんの職場では、1日に5回、男性社員たちにお茶やコーヒーを出したり、時にはお菓子や果物、お汁粉づくりまで、Wさんを含む女性社員の役割になっていました。女性たちみんなでユニオンとともに団体交渉で抗議し、お茶は飲みたい人が自分で淹れるように変えさせました。
・労働組合加入通知を出したとたんに、なれないと言われていた正社員になった
障がい者のXさんは、試用期間が終わったとき、障がい者枠で雇用されたことを理由に、正社員にはなれない、と告げられました。Xさんは、ユニオンに加入することを決意。ユニオンが、会社にXさんの組合加入通知を送付したところ、通知を受け取った会社は、すぐにXさんを正社員にしました。
・試用期間中も社会保険に入れるようになった
Yさんの職場では、正社員として雇用されたものでも、試用期間中は社会保険に入れないとされてきました。しかし、団体交渉の場でこの問題を指摘し、試用期間中であっても社会保険に加入するように修正させました。
・労働災害を認めさせる
勤務中に大ケガをしてしまったZさん。それなのに、会社は労働災害を認めず、Zさんに解雇を言い渡しました。Zさんはユニオンに加入し、団体交渉によって解雇を撤回させるとともに、労災補償を認めさせました。
・約束と違った雇用期間。差額を金銭で払わせる
Bさんは、ハローワークを通じて「1年の有期雇用、継続あり」という求人に応募し、採用されました。ところが採用後、会社はBさんの雇用は3か月の有期雇用である、と告げて、3か月後にBさんは雇止め解雇となってしまいました。Bさんはユニオンに加入し、団体交渉の結果、会社側に1年の期間満了までの賃金相当額を支払わせることができました。
・いい加減だった就業規則を改善
Cさんの職場では、就業規則が開示されている従業員とされていない従業員がおり、開示されているものも従業員によって内容が違っていました。Cさんは、ユニオンを通じて、就業規則を文書で示すように求め、会社は、これに応じました。また、就業規則の改善をさせることができました。
・トイレにも行かせない職場。相応の金額を支払わせて退職。
食品製造現場で働くDさんは、勤務中にトイレに行くことを禁じられ、水分をとることを控えることを余儀なくされました。ところが職場は、食品の加熱工程によってうだるような暑さ。Dさんは、何度も熱中症に倒れましたが、会社の態度は変わりません。さらに、Dさんの会社では、早朝に朝礼があるのですが、その分の賃金は払われず、有給休暇はなし、親が亡くなったためにとった休暇も無給とされました。Dさんは同僚を誘ってユニオンに加入。退職と引き換えに相応の金額を支給させることで和解しました。
・辞めたいのに辞めさせてくれない。ユニオンに入って円満退職
介護職のEさんの職場は、仕事がきつく、Eさんは退職を申し出ました。ところが人手不足で退職を認めてもらえませんでした。Eさんはユニオンに加入し、会社と団体交渉して円満に退職することができました。